喉が痛くなっちゃって、全然練習できないんだよね。
少し歌っただけで、喉がヒリヒリしちゃうよ。
一生懸命歌うと、声がガラガラになっちゃうんだよね。
プロの人たちは、どうして長い時間歌えるんだろう。
今回の記事は、このようなお悩みに対する内容です。
私にも、歌うと喉が痛くなってしまう時代がありました。
頑張って歌えば歌うほど、喉が痛くなってしまうのです。
カラオケでは3曲目までが精一杯。
カラオケの3時間パックなんて当然無理でした。
せっかく練習する時間を作っても、喉が痛くなって練習できない。
そんな状態に悩んでいました。
そこで考えたのが、今回の内容です。
今回の内容を意識した結果、長い時間歌っても、以前のように喉が痛くなることは無くなりました。
もちろん、途中で適度な休憩を挟みますけどね。
今回の記事の内容は、このウェブサイトにおけるベースとなる考え方です。
ぜひ、最後までご覧ください。
では、スタートです。
歌声とは、そもそも何?
喉を痛めない歌い方をお伝えする前に、まずは、歌声とは、そもそも何かを解説します。
その振動が誰かの鼓膜を揺らすことで、歌声だと認識されます。
歌声は振動なので、声の大きさを変化させる場合、振動の大きさを変化させます。
声の高さを変化させる場合、振動の細かさを変化させます。
このように、歌声とは振動です。
歌声を変化させる場合は、これらの変化をベースに考えます。
狙った歌声を出せるということは、狙った振動を作れるということです。
そして、喉を痛めない歌い方とは、その振動を、無理なく、楽に作れる方法となります。
では、振動はどのように作っているのでしょうか。
それを、次に解説します。
歌声が作られるまでの流れ
では、振動の作り方を解説します。
それが下記です。
⇒声帯に息を当てて、小さな振動を作ります。
⇒小さな振動を、共鳴腔で共鳴させて増幅させます。
ステップ1では、声帯に息を当てて、声の種(たね)となる最初の振動を作ります。
この最初の振動は、喉頭原音(こうとうげんおん)と呼ばれ、とても小さな振動です。
ステップ2では、ステップ1で作った振動を増幅させます。
ノドや口などの、共鳴腔と呼ばれる空間で共鳴させて、増幅させます。
このように、振動の作り方は、2つのステップで考えます。
ここで重要なことは、声帯と共鳴腔では、役割が明確に違うことです。
声帯では振動を作って、共鳴腔では振動を増幅するという役割です。
ステップ2で増幅された振動は、その後、体外へ出て、誰かの鼓膜を揺らすことで歌声として認識されます。
では、喉を痛めない歌い方とは、どのような歌い方でしょうか。
それを、次にお伝えします。
喉を痛めない歌い方とは?
では、ここまでの内容を前提に、私が意識している、喉を痛めない歌い方をお伝えします。
なぜなら、先ほど確認したように、身体の構造上正しいからです。
声帯は振動を作る場所であり、共鳴腔は振動を増幅させる場所です。
声帯では音程の調節を意識し、共鳴腔では声量を増やすことを意識することが自然です。
なので、喉を痛めない歌い方とは、声帯で音程を調節して、共鳴腔で声量を増やすことを意識した歌い方です。
ただ、残念ながら、よく見かける歌い方は、このような歌い方ではありません。
次に解説するような、喉を痛める歌い方です。
喉を痛める歌い方とは?
では、喉を痛める歌い方を解説します。
なぜなら、先ほど確認したように、身体の構造上正しくないからです。
具体的に言うと、息の量を増やして、声量を増やそうとする歌い方です。
確かに、このやり方でも声量は増えます。
ただ、声帯は振動を作る場所です。
すぐに限界がきます。
声帯が、息の圧力に耐えられなくなるのです。
そうなると、その息の圧力でも声帯が耐えられるように、声帯の周囲の筋肉にさらに力を入れようとします。
その時に、過剰に力を入れてしまい、必要以上に声帯同士をくっつけてしまうのです。
そして、その状態で声帯を振動させるので、声帯同士は酷く擦れ、痛くなってしまいます。
なので、喉を痛める歌い方とは、声帯で声量を作ることを意識した歌い方です。
共鳴を強めるための4つのポイント
最後に、私が意識している、共鳴を強めるためのポイントをお伝えします。
私が意識しているポイントは4つです。
1つずつお伝えします。
ポイント1:共鳴腔を適切な形に変化させること
まず、1つ目のポイントです。
なぜなら、共鳴させられる振動数の種類を増やせるからです。
下記の文章をご覧ください。
“声道の共鳴によって強調される周波数成分をフォルマントと呼びます。フォルマントは無数に存在しますが、…(途中略)…声道は、口を上下に開いたり、舌を前後に動かしたりすることで形状が複雑に変化するため、それにともなってフォルマントも様々に変化することになります。”
(『ゼロからはじめる音響学』 株式会社 講談社、著者 青木直史、2014年、p.69)
つまり、共鳴腔の変化によって、共鳴させられる振動数(周波数)の種類を変えられるということですね。
この一番身近な例は、“ア”、“イ”、“ウ”、“エ”、“オ”の違いです。
同じ音程でも、“ア”、“イ”、“ウ”、“エ”、“オ”という聞こえ方の違いを作ることができますよね。
この違いは、口の中の空間を変化させて、共鳴で強調できる振動数を変えることで作っています。
実は、声帯で作った小さな振動の中には、狙った高さ(振動数)以外の振動が含まれています。
それが倍音と呼ばれる振動です。
口の中の空間を変化させることで、その倍音の中で強調される振動数の種類を変えます。
その結果が、“ア”、”イ”、“ウ”、“エ”、“オ”という聞こえ方の違いです。
ここで強調したいことは、この違いは、声帯側の変化ではなく、共鳴腔側の変化で起こることです。
そして、共鳴を強める場合も、これと同様に様々な共鳴腔を変化させます。
共鳴腔を適切な形にできれば、共鳴させられる振動数の種類が増えます。
共鳴する振動数の種類が増えれば、各振動数の大きさの総和である声量も増えます。
なので、1つ目のポイントは、共鳴腔を適切な大きさの空間に変化させることです。
ポイント2:喉頭原音を正しく作ること
次に、2つ目のポイントです。
なぜなら、共鳴は、喉頭原音を基に増幅させるからです。
喉頭原音とは、声帯で作る最初の小さな振動でしたね。
共鳴は、この喉頭原音を基に振動を増幅させます。
なので、そもそも喉頭原音に、狙った高さの振動や倍音が含まれていなければ、増幅できません。
例えば、ギターの場合、弦で作った振動をボディーで増幅します。
ボディーだけあっても仕方がないですよね。
弦で作った振動がなければ、ボディーで共鳴させられません。
0には何を掛けても0です。
なので、2つ目のポイントは、喉頭原音を正しく作ることです。
ポイント3:歌声を録音して確認すること
次に、3つ目のポイントです。
なぜなら、体感的な振動と身体の外へ出ていく振動は、必ずしも一致しないからです。
これは、私の経験談です。
歌っている時は上手く響いているように感じても、録音を聞き直してみると、全然響いていないことがありました。
身体の中で響いている感じがしただけで、身体の外には全然出ていなかったのです。
私にとっては残念な経験でしたが、とても勉強になりました。
なので、3つ目のポイントは、歌声を録音して確認することです。
ポイント4:声量を必要以上に求めないこと
最後に、4つ目のポイントです。
なぜなら、共鳴で増やせる大きさには限界があるからです。
極端な話ですが、いくら共鳴で声量を増やせたとしても、マイクを使わないでカラオケを歌うのは無理ですよね。
マイクなしの声量では、カラオケの音量に勝てません。
これは練習量の問題ではなく、物理的な限界です。
勝とうとしても無理なのです。
それにも関わらず、無理やり声量を上げようとすると、息の量に頼ってしまったり、変に力が入ってしまったりします。
カラオケで歌う場合は、マイクに届けば十分です。
それ以上は必要ありません。
なので、4つ目のポイントは、声量を必要以上に求めないことです。
以上の4つが、私が意識している“共鳴を強めるためのポイント”です。下記に、まとめました。
- ポイント1:共鳴腔を適切な形に変化させること
- ポイント2:喉頭原音を正しく作ること
- ポイント3:歌声を録音して確認すること
- ポイント4:声量を必要以上に求めないこと
まとめ
まとめです。
その歌い方とは、声帯で音程を調節して、共鳴腔で声量を増やすことを意識した歌い方でした。
せっかく歌の練習を始めても、すぐに喉が痛くなってしまうと、練習量を確保できません。
ぜひ、意識しながら歌ってみてください。
もしかしたら、今回の記事の内容は、当たり前すぎる内容だったかもしれません。
ただ、その内容をしっかりと確認することで、他の記事の内容を積み上げていけます。
また、今回の“喉を痛めない歌い方”は、自分ではできているつもりでも、実は出来でいないこともあります。
歌っていて上手くいかない時は、まずは今回の記事の内容まで戻ってきて確認してください。
このウェブサイトの内容は、今回の記事の内容をベースに積み上げています。
前提が間違っていると、その先でいくら調整しても改善しません。
それは、私がこれまでに何度も経験したことです。
では、今回の記事は、これで終わりです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。