声の音域を広げるためのポイントはわかったけど、上手く整理できないよ。
声の音域を広げるためのポイントは分かったけど、再現できた時の感覚を忘れちゃうんだよね。
声の音域を広げるためのポイントは分かったけど、どんな順番で意識すればいいんだろう。
声の音域を広げるためのポイントは分かったけど、他にもポイントがあるような気がするんだよな。
今回の記事は、このようなお悩みに対する内容です。
このウェブサイトでは、私が意識している、声の音域を広げるためのポイントをお伝えしています。
私が歌の練習を始めた初期の頃は、それぞれのポイントを重点的に練習することで、少しずつ、声の音域を広げてきました。
しかし、ある時から、そのやり方に限界を感じるようになりました。
一つのポイントを重点的に練習すると、再現できていた他のポイントを再現できなくなってしまうのです。
そして、その結果、歌えていた音域を歌えないという状態になってしまいました。
そこで考えたのが、今回の内容です。
そして、以前よりも、自信を持って歌えるようになったのです。
今回の内容は、このウェブサイトの集大成となる内容です。
ぜひ、最後までご覧ください。
では、スタートです。
幅広い音域を歌うための歌い方
では、私が意識している、幅広い音域を歌うための歌い方をお伝えします。
ポイント1-3が、声を出す前の準備段階です。
ポイント4–5が、ゆっくりと少しずつ声を出す段階です。
ポイント6-8が、声の音域を広げる段階です。
ここからは、各ポイントを、意識する順番で解説します。
まずは、ポイント1です。
ポイント1:脱力
では、ポイント1の解説です。
なぜなら、音程をスムーズに変えられるからです。
喉頭の中には、声帯があります。
声帯は、喉頭を構成する軟骨を傾けることで伸ばします。
喉頭の周囲の筋肉を緊張させて硬くすると、その傾く動きが邪魔され、声帯を上手く伸ばせなくなります。
それは、言い換えると、音程を上手く変化させられないということです。
絶対に避けなければなりません。
なので、ポイント1は、喉頭の周囲の筋肉を脱力させることです。
ポイント1は、喉頭を自由に動かすための土台を作っている段階です。
このポイント1が上手くできないと、これ以降のポイントでいくら試行錯誤しても上手くいきません。
私が歌の練習を始めた初期の頃は、声を出す前に脱力をするためだけの時間を作りました。
カラオケの3時間パックだと、最初の30分ぐらい、歌わないで脱力の練習をします。
歌唱中の練習に意識が行きがちですが、その前提となる歌う前から入っている力を抜く練習も重要です。
ぜひ、この最初のタイミングで、しっかりと脱力させてください。
ポイント2:喉頭の位置
次に、ポイント2の解説です。
なぜなら、歌唱中に緊張させる筋肉の位置を、正確に意識できるからです。
喉頭は、喉仏の裏側にあります。
ザックリではありますが、喉頭は外からでもわかりやすいので、基準として使えます。
極端に言えば、歌唱中に緊張させる筋肉のほとんどは、この喉頭を構成する筋肉です。
逆に、歌唱中に脱力させる筋肉のほとんどは、この喉頭の外側の筋肉です。
つまり、それらの筋肉を、しっかりと区別して意識するために、喉頭の位置を基準に使えるということです。
なので、ポイント2は、喉頭の位置を正確に意識することです。
私は、実際に喉仏を触って喉頭の位置を確認します。
前からだけでなく、横からも触って、三次元的に、口やノドとの位置関係を確認します。
見た感じで、なんとなく想像するのではなく、実際に触れることで、より正確に位置関係を意識することが重要です。
ポイント3:声帯の位置
次に、ポイント3の解説です。
なぜなら、歌唱中に意識する筋肉や空間の位置を、正確に意識できるからです。
声帯も、喉仏の裏側にあります。
ただ、喉仏よりも少し下です。
歌唱中に意識する筋肉は、外からは見えないので、意識しにくいです。
しかし、声帯の位置は、外からでもわかる喉仏の位置を基準にできるので、意識しやすいです。
先程解説した、ポイント2の喉頭の位置は、歌唱中に緊張させる筋肉の位置をザックリと意識するための基準として使いました。
一方で、ポイント3の声帯の位置は、歌唱中に意識する筋肉や空間の位置を、もう少し正確に意識するための基準として使います。
例えば、声帯の位置を正確に意識できると、声帯自体を変化させる時に、その位置を正確に意識できます。
息を届かせる位置も正確に意識できます。
共鳴腔の始まりの位置も正確に意識できます。
輪状甲状筋や後輪状披裂筋の位置も、声帯の位置を基準に少し下と正確に意識できます。
このように。客観的に分かりやすい声帯の位置を手掛かりにできるので、歌唱中に意識する筋肉や空間の位置を、正確に意識できるということです。
なので、ポイント3は、声帯の位置を正確に意識することです。
私は、声帯の位置も、実際に喉仏を触って確認します。
喉仏を基準に、その少し下ですね。
そして、このポイント3までが、声を出す前の準備段階です。
次のポイント4から、ゆっくりと少しずつ声を出す段階に入ります。
ポイント4:息の量
では、ポイント4の解説です。
このポイント4で、ゆっくりと、少しずつ、声を出します。
なぜなら、歌声とは、息ではなく振動だからです。
歌声は息ではありません。
なので、声帯が上手く振動すれば、それ以上は必要ありません。
むしろ邪魔になってしまいます。
もちろん、わざと息の量を多くして歌うこともありますが、それはもう少し自在に歌えるようになってからの方がいいでしょう。
なので、ポイント4は、息の量を、声帯が振動する最低限の量にすることです。
また、ポイント4で息を届かせる位置は、ポイント3で意識した声帯の位置です。
このポイント4は、私が歌う時に最も意識しているポイントです。
気を使っているポイントや感覚を忘れがちなポイントと言い換えてもいいかもしれません。
声を出す時は、本当に少しの量から始めます。
もし声にならなければ、少しずつ増やします。
このタイミングで、声量を求めないでください。
本当に小さな歌声が作れればOKです。
独り言のような小さな歌声です。
ポイント1の脱力を維持した状態で、声帯だけが綺麗に振動するように意識してください。
ここは、慣れるまで時間を掛けていい部分です。
いきなり大きな声で歌うのではなく、ゆっくりと、少しずつ、声を出します。
いきなり大きな声で歌おうとすると、せっかくポイント1で脱力させた余計な筋肉を緊張させてしまう可能性が高くなります。
たき火を起こす時のように、まずは火種を作る感じです。
ポイント5:喉を開くこと
次に、ポイント5です。
なぜなら、声量を増やせたり、下咽頭収縮筋の脱力をサポート出来たりするからです。
喉を開くとは、私の場合、中咽頭収縮筋を広げることを意識します。
まず、中咽頭収縮筋を広げると、ノドの空間が変化するので、その空間が共鳴させられる振動の高さが変化します。
その時に、実際に共鳴させられる振動の高さを増やせれば、各振動の大きさの合計も増やせます。
つまり、声量を増やせるということです。
そして、中咽頭収縮筋を広げると、下咽頭収縮筋が緊張して、収縮しようとする動きに対抗できます。
つまり、中咽頭収縮筋の脱力もサポートできるということです。
なので、ポイント5は、喉を開くことです。
本当は、ポイント4で声を出し始める前に、中咽頭収縮筋を広げても問題ありません。
ポイント4とポイント5は、逆でも問題ないということです。
ただ、これは私の経験ですが、先に中咽頭収縮筋を広げてから歌い始めると、声帯が振動する感覚と、中咽頭収縮筋を広げて作った共鳴腔が振動する感覚が区別しにくくなります。
その結果、ポイント3で、声帯の位置を正確に意識しているにもかかわらず、歌い始めた途端に、共鳴腔の位置と勘違いしてしまうということが起こります。
そうなってしまうと、次のポイント6で声帯を変化させる時に、上手く変化させられず、余計な筋肉を緊張させてしまいます。
それを避け、声帯の振動を確実に感じることを優先するために、喉を開くことをポイント5の位置に置いています。
また、中咽頭収縮筋は、舌骨につながっています。
なので、私は、中咽頭収縮筋の位置も、実際に舌骨を触って確認します。
中咽頭収縮筋は、その舌骨の後ろ側ですね。
そして、このポイント5までが、ゆっくりと少しずつ声を出す段階です。
次のポイント6から、いよいよ声の音域を広げる段階に入ります。
ポイント6:発声法の使い分け
次に、ポイント6の解説です。
なぜなら、結果的に、幅広い音域を歌えるようになるからです。
私は、声の音域の広げ方として、下記の3つの方法を適切に組み合わせることを意識しています。
- 方法1:声帯の長さの変化
- 方法2:声帯の厚みの変化
- 方法3:声帯同士の距離の変化
そして、その組み合わせを意識しやすくするために、3つの方法を、音域別に組み合わせ、4種類の発声法として定義しています。
音域 | 長さ | 厚み | 距離 | 発声法 |
最高 | ヘッドボイス | |||
高 | ファルセット | |||
中 | ミドルボイス | |||
低 | チェストボイス |
このように、発声法を音域別に使い分けると、結果的に、幅広い音域を歌えるようになります。
なので、ポイント6は、発声法を変化させることです。
ただし、このポイント6で発声法を変化させると、ポイント4の息の量も変化する場合があります。
つまり、声帯が振動する必要最低限の量も変化する可能性があるということです。
その変化も、同時に意識してください。
また、4種類の発声法の聞こえ方は、下記の通りです。
発声法 | 倍音 | 聞こえ方 |
ヘッドボイス | 地声 | |
ファルセット | 裏声 | |
ミドルボイス | 地声 | |
チェストボイス | 地声 |
ポイント7:声帯閉鎖
次に、ポイント7の解説です。
なぜなら、輪状甲状筋に力を入れるほど、声帯を開いてしまうからです。
声帯を伸ばす主な筋肉は、輪状甲状筋です。
ただ、声帯を伸ばす時は、片側から引っ張っても伸ばすことができません。
両側から引っ張る必要があります。
前側が輪状甲状筋で、後ろ側が後輪状披裂筋です。
輪状甲状筋に力が入るほど、対抗となる後輪状披裂筋にも力が入ります。
ただ、後輪状披裂筋は、力が入るほど声帯を開いてしまう筋肉です。
つまり、輪状甲状筋に力を入れるほど、声帯を開いてしまうということです。
そこで、同時に、声帯閉鎖も意識します。
これで、幅広い音域で、しっかりと振動を作れます。
なので、ポイント7は、輪状甲状筋に力を入れるほど、声帯閉鎖を意識することです。
ただ、このポイント7は、歌唱中だと分かりにくいです。
私の場合は、他のポイントを正しく意識できている中で、声帯で振動を作りにくくなったら、このポイント7を意識します。
息漏れっぽく感じたり、声帯で息の圧力を感じなくなったりした場合に、意識すると改善できるかもしれません。
ポイント8:喉頭の下側の筋肉
最後に、ポイント8の解説です。
なぜなら、輪状甲状筋が声帯を伸ばす動きをアシストできるからです。
声帯を伸ばす時、輪状甲状筋を使います。
そして、その力を最大限に使っている状況で、さらに声帯を伸ばしたい場合は、喉頭の位置を固定している上側の筋肉の力も使います。
ただ、その筋肉に力を入れるだけでは、喉頭の位置を固定している上下の筋力のバランスが崩れ、喉頭が持ち上がってしまいます。
それでは声帯を上手く伸ばせません。
喉頭の位置は、維持し続けなければならないということです。
そこで、喉頭の位置を固定している下側の筋肉にも力を入れます。
対抗する力を入れることで、喉頭の位置を固定している上側の筋肉に力を入れながらも、喉頭が持ち上がるのを防げます。
なので、ポイント8は、声帯を最大限伸ばしたい場合は、喉頭の位置を固定している下側の筋肉にも力を入れることです。
ただ、このポイント8も、歌唱中だと分かりにくいです。
私の場合は、他のポイントを正しく意識できている中で、喉頭が持ち上がりそうになったり、明らかに高音を出そうとしたりした時に、このポイント8を意識します。
それは、あくまでも、喉頭が持ち上がらないように、上下でバランスを取るために力を入れるということです。
過剰な力を入れないように注意してください。
以上が、私が意識している、幅広い音域を歌うための歌い方です。
では、この歌い方を使って、どのように練習してきたのか。
次は、その練習方法をお伝えします。
練習方法
では、私が意識している、幅広い音域を歌うための練習方法をお伝えします。
なぜなら、各ポイントを再現できた時の感覚を忘れず、再現する順番を間違えないで練習できるからです。
この記事の最初で、1つのポイントを重点的に練習すると、再現できていた他のポイントを再現できなくなり、歌えていた音域を歌えない状態になったと書きました。
当時の私が推測した原因は、1つのポイントに意識を集中してしまい、他のポイントを再現できた時の感覚を忘れやすくしてしまうことでした。
歌唱中に動かす筋肉は、外からは見えません。
感覚を頼りに、外から見えない筋肉を動かさなければなりません。
なので、各ポイントを再現できた時の感覚は非常に重要です。
忘れてしまうと、思い出す手掛かりはほとんどありません。
そこで、毎回の練習で、全てのポイントを意識できるようにして、各ポイントを再現できた時の感覚を忘れにくくしました。
当時は、この対策を立てることで、幅広い音域を歌える状態を再現しやすくしようと考えました。
しかし、後々気付いたのですが、原因は、もう一つありました。
それは、各ポイントを再現する順番を意識していなかったことです。
ここまで確認してきたように、あるポイントを再現するためには、その前提となるポイントを再現していなければなりません。
例えば、ポイント1で脱力ができているから、ポイント5で中咽頭収縮筋を広げられます。
ポイント1で脱力ができていない状態で、ポイント5で中咽頭収縮筋を広げようとしても、上手く再現できません。
そこで、全てのポイントを一連の流れにして、各ポイントを再現する順番を間違えないようにしました。
その結果、幅広い音域を歌える状態を、再現しやすくなりました。
なので、私が意識している、幅広い音域を歌うための練習方法とは、幅広い音域を歌うために必要な8個のポイントを、一連の流れで意識して練習することです。
まとめ
まとめです。
声の音域を広げるための歌い方とは、声の音域を広げるための8個のポイントを、下記の順番で意識する歌い方でした。
そして、声の音域を広げるための練習方法とは、声の音域を広げるための8個のポイントを、一連の流れで意識して練習することでした。
この歌い方の利点として、各ポイントを再現できた時の感覚を忘れにくくできることと、各ポイントを再現するための順番を間違えないことを挙げました。
ただ、利点は他にもあります。
まず、毎回同じ流れで歌うので、歌う時に迷わなくなります。
順番通りに意識すればOKです。
そして、修正ポイントを見つけやすくなります。
歌っていて上手くいかなくなったら、ポイント1まで戻って、一つ一つ確認すればOKです。
前提が間違っていると、その先でいろいろと試しても上手くいかないので、ポイント1から確認します。
ただし、注意点もあります。
それは、私が歌唱中に無意識で出来ていることは、ポイントに入っていないことです。
今回の歌い方は、私が独学で練習してきた結果です。
初めから全体像が分かっていたわけではありません。
歌唱中に課題が見つかれば、その解決策を考えます。
そして、予想通りに解決できれば、その解決策がポイントとなります。
そのようなポイントを追加したり、削除したり、並べ替えたりして作ったのが、今回お伝えした歌い方です。
なので、もし、私が歌唱中に無意識で出来ていることがあるとすれば、それは課題にならないので、ポイントにもなりません。
言い換えれば、今回お伝えした歌い方は、私仕様の歌い方だということです。
もしかしたら、皆さんには、別の課題があって、他にも必要なポイントがあるかもしれません。
逆に、無意識で出来てしまっている課題があって、必要のないポイントが入っているかもしれません。
なので、ある程度幅広い音域を歌えるようになったら、皆さん仕様の歌い方に変えていくことも重要です。
そうすれば、もっと正しい方向で改善できます。
ぜひ、自分仕様に変えていくことも意識しながら練習してください。
では、今回の記事は、これで終わりです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。