声の音域を広げたいけど、練習の仕方がわからないよ。
色々な発声法を聞くけど、上手く整理できないな。
地声の音域が全然広がらないんだよね。
具体的なやり方を意識して、発声法を練習したいよ。
今回の記事は、このようなお悩みに対する内容です。
歌の練習を始めた当初、声の音域が狭かった私は、発声法を調べました。
ミックスボイスやヘッドボイス、ホイッスルボイスなど、様々な発声法が出てきました。
しかし、解説を聞いてはみるものの、独学の自分には、具体的に想像することが難しいものでした。
なので、ある時から、多少強引にでも、何か自分の練習の指針となる発声法を作ろうと思うようになりました。
そこで考えたのが、今回の内容です。
今回の内容を意識した結果、各音域に対する適切な発声法を、具体的に意識できるようになりました。
今回の内容は、このウェブサイトで最も重要なポイントです。
ただ、分量が多く、part1とpart2の二部構成です。
今回の記事はpart2なので、もし、part1をご覧になっていない場合は、ぜひ、part1からご覧ください。
では、スタートです。
声の音域の広げ方
4種類の発声法をお伝えする前に、まずは、私が意識している、声の音域の広げ方を復習します。
まず、声の高さとは、声帯で作る振動の細かさです。
その振動の細かさを、振動数と言います。
なので、声の音域を広げるとは、声帯で作る振動数を、より幅広く作れるようにすることです。
振動数を、より幅広く作れるとは、言い換えれば、より変化させられるということです。
私が意識している、振動数を変化させる方法は、下記の3つです。
- 方法1:声帯の長さの変化
- 方法2:声帯の厚みの変化
- 方法3:声帯同士の距離の変化
方法1、声帯の長さの変化では、声帯の張力を変化させることで、振動数を変化させます。
方法2、声帯の厚みの変化では、声帯の振動する部分の重さを変化させることで、振動数を変化させます。
方法3、声帯同士の距離の変化では、声帯が受ける息の量を変化させることで、振動数を変化させます。
そして、それらの方法は、組み合わせることで、さらに大きな変化を作れます。
なので、私が意識している、声の音域の広げ方とは、振動数を変化させる3つの方法を、適切に組み合わせることです。
ここまでが、part1の内容です。
part2では、この3つの選択肢を、音域別に組み合わせ、4種類の発声法として定義します。
それが、今回の記事の内容です。
4種類の発声法とは?
今確認したように、私が意識している、声の音域の広げ方とは、下記の3つの方法を、適切に組み合わせることです。
- 方法1:声帯の長さの変化
- 方法2:声帯の厚みの変化
- 方法3:声帯同士の距離の変化
ここから、この3つの方法を、音域別に組み合わせ、4種類の発声法として定義します。
最初に、全体の流れを確認します。
まず、下記のようにざっくりと音域を分けます。
そして、その各音域を歌えるように、先程の3つの方法を組み合わせます。
最後に、それぞれの歌い方に、下記の名前を割り振ります。
- ヘッドボイス
- ファルセット
- ミドルボイス
- チェストボイス
発声法として覚えやすく、使いやすくするために、できるだけシンプルにしてあります。
では、始めます。
声帯のスタートの状態は、声帯の厚みが最も厚い状態です。
低音域の発声法
まずは、低音域です。
注意点は、声帯の厚みを変化させないことです。
最も厚みのある状態の声帯を伸縮させることで、低音域で振動数を調節します。
これは、ギターでいうと、一番太い弦だけを使って、チョーキングで音程を変える状況と同じです。
それにより、一番低音域で振動数を調節できます。
なので、低音域では、声帯の長さの変化のみを使います。
中音域の発声法
次に、中音域です。
注意点は、声帯の厚みを決める時に、筋肉部分の振動を、一部残すことです。
チェストボイスよりも薄い状態の声帯の長さを変化させることで、中音域で振動数を調節します。
これは、ギターでいうと、弦の太さを変えながら、チョーキングも使って音程を変える状況と同じです。
ただし、一番太い弦と一番細い弦は使いません。
それにより、中音域で振動数を調節できます。
なので、中音域では、声帯の長さの変化だけでなく、声帯の厚みの変化も使います。
高音域の発声法
次に、高音域です。
注意点は、声帯の厚みを決める時に、筋肉部分の振動を残さないことです。
ミドルボイスよりも薄い状態の声帯を伸縮させることで、高音域で振動数を調節します。
これは、ギターでいうと、一番細い弦だけを使って、チョーキングで音程を変える状況と同じです。
それにより、高音域で振動数を調節できます。
なので、高音域では、中音域と同様、声帯の長さの変化だけでなく、声帯の厚みの変化も使います。
最高音域の発声法
最後に、最高音域です。
注意点は2つです。
1つ目は、声帯の厚みを決める時に、筋肉部分の振動を残さないことです。
ただ、これだけだと、ファルセットと同じです。
そこで2つ目です。
2つ目は、意識的に、声帯同士が接触するように、左右の声帯の距離を近づけることです。
これがファルセットとの違いです。
ファルセットよりも、受ける息の量が増えている状態の声帯を伸縮させることで、最高音域で振動数を調節します。
なので、最高音域では、声帯の長さの変化と声帯の厚みの変化だけでなく、声帯同士の距離の変化も使います。
喉を痛めてしまうので、絶対に無理をしないで下さい。
ミドルボイスでも、一般的な曲であれば、十分に対応できます。
以上が、先ほどの3つの選択肢を、音域別に組み合わせて定義した、4種類の発声法です。
下記にまとめました。
音域 | 長さ | 厚み | 距離 | 発声法 |
最高 | ヘッドボイス | |||
高 | ファルセット | |||
中 | ミドルボイス | |||
低 | チェストボイス |
4種類の発声法を聞こえ方で分類!
最後に、この4種類の発声法を、聞こえ方で分類します。
聞こえ方とは、地声に聞こえるか、裏声に聞こえるかということです。
分類する基準は、下記です。
- 地声…倍音が多い歌声
- 裏声…倍音が少ない歌声
では、これを基準に分類していきます。
チェストボイスの聞こえ方とは?
まずは、チェストボイスです。
なぜなら、チェストボイスは、倍音が多く発生する歌い方だからです。
声帯の筋肉部分と表面部分の両方を振動させて歌うので、左右の声帯がしっかりと接触します。
その結果、倍音が多く発生します。
なので、チェストボイスは、地声に分類します。
ミドルボイスの聞こえ方とは?
次に、ミドルボイスです。
なぜなら、ミドルボイスは、倍音が多く発生する歌い方だからです。
声帯は薄くなっていますが、筋肉部分と表面部分の両方を振動させて歌うので、左右の声帯がしっかりと接触します。
その結果、倍音が多く発生します。
なので、ミドルボイスは、地声に分類します。
ファルセットの聞こえ方とは?
次に、ファルセットです。
なぜなら、ファルセットは、倍音があまり発生しない歌い方だからです。
声帯が最大限薄くなっており、表面部分のみを振動させて歌うので、左右の声帯の接触が妨げられます。
その結果、倍音があまり発生しません。
なので、ファルセットは、裏声に分類します。
ヘッドボイスの聞こえ方とは?
最後は、ヘッドボイスです。
なぜなら、ヘッドボイスは、倍音が多く発生する歌い方だからです。
声帯は最大限薄くなっており、表面部分のみを振動させて歌いますが、意識的に、左右の声帯を接触させて歌います。
その結果、倍音が多く発生します。
なので、ヘッドボイスは、地声に分類します。
以上が、4種類の発声法の、聞こえ方での分類です。
下記にまとめました。
発声法 | 倍音 | 聞こえ方 |
ヘッドボイス | 地声 | |
ファルセット | 裏声 | |
ミドルボイス | 地声 | |
チェストボイス | 地声 |
まとめ
まとめです。
その4種類の発声法とは、下記の4種類の組み合わせでした。
音域 | 長さ | 厚み | 距離 | 発声法 |
最高 | ヘッドボイス | |||
高 | ファルセット | |||
中 | ミドルボイス | |||
低 | チェストボイス |
私は、このように発声法を定義したことで、各音域での歌い方を、具体的に意識しながら練習できるようになりました。
そして、各音域で発声法を使い分けることにより、結果的に、幅広い音域を歌えるようになりました。
音域が狭くて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
では、今回の記事は、これで終わりです。
part11とpart2の二部構成でしたが、最後までご覧いただき、ありがとうございました。