歌の練習を始めた当初、発声法を調べると、いろいろな名前が出てきました。
ただ、統一された定義は無いようで、独学の私には整理しづらい部分がありました。
何を指針に練習すればいいかわからず、困ってしまったんです。
そこで考えたのが、今回の内容です。
今回の内容は、歌い方を整理して、練習の指針とするためのものです。
これが正しいミックスボイスだ!というものではありません。
このミックスボイスで歌うために、私が意識していることもお伝えします。
ぜひ、最後までご覧ください。
では、スタートです。
私が意識しているミックスボイスとは
私は、音域をザックリと4つに分け、それぞれの音域に対応した発声法を定義しています。
ただ、その中に、ミックスボイスはありません。
つまり、私が意識しているミックスボイスは、1つの発声法ではないということです。
地声に聞こえる発声法は、チェストボイスとミドルボイス、ヘッドボイスです。
先ほどのイラストだと高音域が対応できないように見えますが、高音域は、ミドルボイスのバリエーションで対応します。
そして、それらの発声法を切り替えながら歌うことで、幅広い音域を地声で歌えるようにします。
それが、私が意識している、ミックスボイスです。
さて、私が意識しているミックスボイスの定義はこれだけです。
それぞれの発声法での歌い方については、個別の記事でお伝えしています。
なので、この記事では、それらの発声法のつなげ方を解説します。
それぞれの発声法のつなげ方
まず、発声法のつなげ方は、一通りではないです。
例えば、チェストボイスで低音域を歌っているとします。
そこから、中音域を歌う場合、チェストボイスを引っ張ってつなげることもできます。
また、低めのミドルボイスに切り替えてつなげることもできます。
さらに、そこから、高音域を歌う場合、低めのミドルボイスを引っ張ってつなげることもできます。
また、高めのミドルボイスに切り替えてつなげることもできます。
なぜなら、楽だからです。
低い側の発声法の方が、声帯が厚いです。
声帯が厚いと、引っ張る力がたくさん必要です。
毎回、ギターの太い弦を、チョーキングして高音を出しに行くようなものです。
すごく大変そうですよね。
そもそも細い弦を引いた方が楽そうですよね。
また、引っ張る力が強いということは、意識しなければならないポイントが増えるということです。
例えば、声帯閉鎖も意識しなければなりません。
喉頭を固定している下側の筋肉も意識しなければなりません。
そして、それらを同時に、しかも、ほとんどの筋肉の脱力を維持しながら、ピンポイントで行わなければなりません。
当然、難易度は上がります。
一方で、早めに高い側の発声法に切り替えると、声帯を薄くできるので、それらが軽減されます。
また、声帯が薄いということは、軽いということなので、息の量も減らせます。
さらに楽になるでしょう。
なので、私の場合は、早めに高い側の発声法に切り替えてつなげます。
先程の例で言えば、チェストボイスを引っ張ってつなげるのではなく、低めのミドルボイスに切り替えてつなげます。
また、低めのミドルボイスを引っ張ってつなげるのではなく、高めのミドルボイスに切り替えてつなげます。
この練習をするためには、それぞれの発声法で歌えることが前提です。
まずは個別に、チェストボイス、ミドルボイス、ヘッドボイスを練習してください。
そして、それらの発声法で歌えるようになってから、いろいろなつなぎ方を試してみてください。
切り替えの注意点
先程、発声法をつなげる場合、早めに高い側の発声法に切り替えてつなげると解説しました。
私が意識している注意点は、2つです。
高い側の発声法の方が楽に歌えるので、ミドルボイス以上の発声法で歌えるようになると、つい最初からミドルボイス以上の発声法でフォームを作りがちです。
そうすると、低音域が歌いにくくなります。
これは、より高い音域を歌うために、高めのミドルボイスやヘッドボイスに切り替えることと同じです。
より低い音域を歌うためには、低めのミドルボイスやチェストボイスに切り替えなければなりません。
1つの発声法だけで歌えるのであれば、そもそもミックスボイスという考え方が必要ありません。
重要なことは、それぞれの音域に対応した発声法に切り替えるということです。
なので、1つ目の注意点は、高すぎる発声法に切り替えないようにすることです。
慣れるまでは、ノドのフォームを作るまでに時間がかかります。
なので、その分を予想して、本来の歌い出しよりも早いタイミングで準備に取り掛かることになります。
最初のうちは、それでちょうどよく歌いだしを歌えます。
しかし、だんだん慣れてくると、ノドのフォームを作るまでの期間が短くなります。
これは良いことなのですが、それまで意識していたタイミングで準備を始めてしまうと、準備完了のタイミングが早くなるので、本来の歌い出しよりも早く歌い始めてしまうかもしれません。
なので、2つ目の注意点は、早めに歌い出さないようにすることです。
曲の難易度について
今回お伝えしたミックスボイスは、歌う曲のメロディーによって難易度が変わります。
なので、最後に、私が意識している曲の難易度についてお話しします。
今回は、ミドルボイスのバリエーションを3種類にしました。
そして、ここからは、それぞれの発声法で歌えるという前提でお話しします。
それぞれの発声法で歌えるのであれば、次に難しい作業は、発声法の切り替えです。
言い換えると、ノドのフォームの変形です。
それを素早く行わなければなりません。
まずは、発声法の切り替えポイントの量についてです。
例えば、曲の中で発声法の切り替えポイントが1回だけであれば、気を遣う回数は1回です。
休符や間奏で切り替えの準備ができる曲であれば、余裕があるので難易度は低いです。
一方で、曲の中で、何度も何度もいろいろな発声法の切り替えポイントがあるとどうでしょう。
いろいろな発声法の切り替えを、素早くできないといけないので、難易度は高いです。
次は、発声法の切り替えポイントの距離についてです。
例えば、発声法の切り替えポイントが近ければ、変化は少しです。
小さな意識の変化でいいので、難易度は低いです。
しかし、発声法の切り替えポイントが遠くなると、変化は大きいです。
大きな意識の変化が必要なので、難易度は高いです。
これらは、車の運転と似ています。
マニュアル車を運転する場合、速度によってギアを変えます。
低速は1速から2速、中速は3速、そして高速は4速、5速となります(私は車に詳しくありませんので、間違いがあるかもしれません)。
このギアチェンジを、発声法の切り替えと考えてください。
街中を運転して、信号で止まったり、渋滞でゆっくりになったりして、1-3速のギアをガチャガチャと変えながら運転するのは大変です。
一方で、信号のない高速道路を、4速のギアを変えることなくスーッと走るのは楽です。
これが、発声法の切り替えポイントの量による難易度の違いです。
また、ギアを変える時は、1-5速を順番に変えるはずです。
1速から一気に5速に変えることはないはずです。
これが、発声法の切り替えポイントの距離による難易度の違いです。
なので、私が意識している、曲の難易度とは、発声法の切り替えポイントの量と距離です。
発声法を切り替えるポイントは人によって違うので、曲の難易度も人によって変わるでしょう。
逆に言うと、一つの発声法内で歌える音域の曲であれば、高音でも問題ないということです。
昔は、高音への憧れからか、高音になればなる程難しいだろうと考えていました。
しかし、対応した発声法で歌えるのであれば、高音になったからといって、難易度が上がるわけではないです。
むしろ低音域の方が上手くいかない時もあります。
これは高音域が簡単という意味ではなく、違う次元の話だということです。
まとめ
まとめです。
その定義とは、地声に聞こえる発声法を切り替えながら歌うことで、幅広い音域を地声で歌う歌い方でした。
私は、今回お伝えした内容を特に意識して、幅広い音域を地声で歌っています。
ぜひ、意識して練習してみてください。
では、今回の記事は、これで終わりです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。